
オリンピックはどうして4年ごと?
どうして夏季大会のほかに冬季大会もあるの?
近代オリンピックの第1回大会は1896年4月6日より15日までの10日間、ギリシャの首都アテネで開催されました。その2年前の1894年6月23日にオリンピックの復興を決め、第1回大会を96年に行うことにしたのですが、実をいうと復興者のクーベルタンは準備のこともあり、記念すべき大会を区切りのいい1900年にスタートさせたいと考えていたのです。準備期間が必要だと考えていたからです。だが多くの出席者は2年後の1896年を希望しました。クーベルタンは早期開催を危惧したのですが、「鉄は熱いうちに鍛えよ」との格言に従わざるを得なかったようです。
当然のことながら、2年後が無理であれば、3、4、5年後にスタートを切ることも話題になったのではないかと思われるのですが、そのようなことがなかったことは不思議なことです。古代オリンピック(古代オリンピア祭)は、4年に1回、
年に開かれていることを、クーベルタンはあらかじめ言っていたからでしょう。古代オリンピックにヒントを得、模倣した近代オリンピックは、開催年までを踏襲したのです。
ちなみに、現代の『オリンピック憲章』(OLYMPIC CHARTER)第6条付属細則第1項では、「“オリンピアード”とは連続する4暦年の期間を意味し、最初の年の1月1日に始まり、4年目の12月31日に終了する」とされており、第2項では、「オリンピアードは、1896年にアテネで開催された第1回オリンピアード競技大会から連続して順に回数がつけられている。第29回オリンピアードは2008年1月1日から始まる」と定められています。要は、オリンピック競技代会は4年に一度の
年に行われ、その他の年では実施されないということです。それは古代オリンピックを踏襲しているからに他なりません。
執筆者:伊藤公(いとう・いさお)プロフィール
1935年生まれ。明治大学文学部卒。出版社を経て66年より日本体育協会・日本オリンピック委員会(JOC)に勤務。その大半を国際部門で過ごし、80年のモスクワ・オリンピック時は国際課長だった。91年、独立しフリーのオリンピック評論家に。72年の札幌冬季大会時よりオリンピックに携わり、現場での観戦・取材は夏季・冬季合わせて10大会に及ぶ。日本スポーツ学会(スポーツ・ネットワーク)運営理事、日本スポーツ芸術協会、日本オリンピック・アカデミー(JOA)各会員。共著・共編著は『オリンピックの本』(サイマル出版会、1986年)、『近代オリンピック100年の歩み』(ベースボール・マガジン社、1994年)、『ポケット版オリンピック事典』(楽、2008年)など多数。ネット情報は『モスクワ五輪ボイコットの真相』(http://blog.livedoor.jp/itoko2/、2005年11月1日〜06年3月17日 全137回)など。