
オリンピックで1・2・3位になると、どうして金・銀・銅メダルが与えられるのか?
金メダルは本当の金でできているの? また入賞は6位までか8位までか?
前記したように、各競技種目で1・2・3位になった選手には金・銀・銅メダルとディプロマ(賞状)が与えられますが、惜しくもメダルを逃したものの4〜8位になった選手は“入賞”とされ、ディプロマ(賞状)が授与されます。1980年の第13回レークプラシッド冬季競技大会、同年の第20回モスクワ競技大会までは6位までが入賞とされていましたが、次の84年の第14回サラエボ冬季競技大会、同年の第21回ロサンゼルス競技大会からは、8位までが入賞者ということに改訂されました。
オリンピック競技大会の主催者のIOCがそのような改正に踏み切ったのは、81年に西ドイツ(当時)のバーデンバーデンで開催されたオリンピック関係者が一堂に集まるオリンピック・コングレスで議論され、それにつづくIOC総会に話し合われたからです。冬季・夏季両大会とも参加国・参加選手数が回を追うごとに多くなってきていたため、そうせざるを得なかったのでしょう。各競技種目とも世界的に普及し、しかも技術が高度化してメダルを獲得することが至難な時期になっていたこともあり、実際に各国内オリンピック委員会(NOC)からは、この決定が好意をもって迎え入れられました。
ちなみに、8位までの入賞者は各競技種目で“ファイナリスト”(決勝進出者)とも呼ばれ、世界一流の競技者であるとされています。メダルを手にすることはできなくとも、最終的に「世界の8番目までに選ばれた」ということは、特記すべきことです。
執筆者:伊藤公(いとう・いさお)プロフィール
1935年生まれ。明治大学文学部卒。出版社を経て66年より日本体育協会・日本オリンピック委員会(JOC)に勤務。その大半を国際部門で過ごし、80年のモスクワ・オリンピック時は国際課長だった。91年、独立しフリーのオリンピック評論家に。72年の札幌冬季大会時よりオリンピックに携わり、現場での観戦・取材は夏季・冬季合わせて10大会に及ぶ。日本スポーツ学会(スポーツ・ネットワーク)運営理事、日本スポーツ芸術協会、日本オリンピック・アカデミー(JOA)各会員。共著・共編著は『オリンピックの本』(サイマル出版会、1986年)、『近代オリンピック100年の歩み』(ベースボール・マガジン社、1994年)、『ポケット版オリンピック事典』(楽、2008年)など多数。ネット情報は『モスクワ五輪ボイコットの真相』(http://blog.livedoor.jp/itoko2/、2005年11月1日〜06年3月17日 全137回)など。