
オリンピックのシンボルは、どうして五輪マークなのか?
五輪マークは何を表わしているのか教えてください。
それはさておき、1914年のIOC創立20周年のためにクーベルタンによって考案されたオリンピック旗とオリンピック・シンボルが一般的にも知られるようになったのは、それから6年後の1920年の第7回アントワープ大会のときです。16年の第6回大会が第1次世界大戦のために流会になったからです。今でこそ5つの輪のオリンピック・シンボルとオリンピック旗は有名ですが、初期の大会にはそれが存在しなかったのです。今にして思うと、シンボル・マークが存在しなかったのに大会がつづけられたことが不思議なくらいです。
このオリンピック・シンボル、旗とともに忘れてはならないのは「より速く、より高く、より強く」(元の言葉はラテン語でCitius=キティウス、Altius=アルティウス、Fortius=フォルティウス)のオリンピック・モットー(標語)です。この言葉は、クーベルタンの友人で、ノルマンディー生まれのフランス人神父ディドンが、校長をしていたルアーブルのアルキュー高等学校のラグビー選手たちに与えた言葉です。1926年のリスボンにおけるIOC総会においてオリンピック・シンボルの下にこれを入れることが公認され、それ以来、“オリンピック・モットー”となりました。このモットーも、現在では「オリンピック資産の1つとして、IOCの重要な役目をになっています。
執筆者:伊藤公(いとう・いさお)プロフィール
1935年生まれ。明治大学文学部卒。出版社を経て66年より日本体育協会・日本オリンピック委員会(JOC)に勤務。その大半を国際部門で過ごし、80年のモスクワ・オリンピック時は国際課長だった。91年、独立しフリーのオリンピック評論家に。72年の札幌冬季大会時よりオリンピックに携わり、現場での観戦・取材は夏季・冬季合わせて10大会に及ぶ。日本スポーツ学会(スポーツ・ネットワーク)運営理事、日本スポーツ芸術協会、日本オリンピック・アカデミー(JOA)各会員。共著・共編著は『オリンピックの本』(サイマル出版会、1986年)、『近代オリンピック100年の歩み』(ベースボール・マガジン社、1994年)、『ポケット版オリンピック事典』(楽、2008年)など多数。ネット情報は『モスクワ五輪ボイコットの真相』(http://blog.livedoor.jp/itoko2/、2005年11月1日〜06年3月17日 全137回)など。