
日本はこれまで、金・銀・銅メダルを何個獲得していますか?
またどのような競技でメダルを獲得しているでしょうか。
日本がオリンピック競技大会に初参加したのは1912年の第5回ストックホルム大会ですが、日本人初のメダリスト(銀メダリスト)になったのは、1920年の第7回アントワープ大会のテニス男子シングルスに出場した熊谷一弥でした。彼は柏尾誠一郎と組んでのダブルスでも銀メダルを獲得しました。16年の第6回大会は第一次世界大戦のために流会となっておりますので、日本は2回目の参加でメダルを手にしたことになります。次の24年のアントワープ大会では、レスリングのフリー・フェザー級に出場したアメリカ留学中の内藤克俊が銅メダルを獲得しました。そしてその次の28年の第9回アムステルダム大会の陸上競技三段とびでは、織田幹雄が15m21をとび、日本人初の銀メダリストになりました。
以降、日本は、32年の第10回ロサンゼルス大会、36年の第11回ベルリン大会で金メダルをはじめとするメダルを量産します。その中でも水泳(競泳)、陸上競技における日本選手の活躍は、国民を喜ばせました。
第二次世界大戦後は、48年の第14回ロンドン大会に参加することはできませんでしたが、陸上競技、水泳(競泳)以外の競技の台頭も目立ち、とりわけ体操、レスリング陣は、1964年の第18回東京大会をピークに活躍し、日本の“メダルの宝庫”となりました。少なくとも76年の第21回モントリオール大会までは、日本の体操、レスリング陣は健在で、優秀な成績を収めておりました。ところが、80年の第22回モスクワ大会を政治的な理由によりボイコットしたことによって、体操、レスリング陣の力はガタッと落ちてしまいました。次の84年の第23回ロサンゼルス大会は、当時のソビエトをはじめとする東欧圏諸国がボイコットしたことで、日本はまずまずの成績をあげることができましたが、その後“メダルの宝庫”である体操、レスリング陣の成績は沈滞気味です。
金メダル獲得数だけに限っていいますと、2000年の第27回シドニー大会までは体操の27個がトップで柔道が23個で2位、レスリングが20個で3位だったのですが、2004年の第28回アテネ大会では柔道が31個で1位、体操が28個で2位と逆転しました。レスリングも含めてのトップ争いにも注目したいものです。
執筆者:伊藤公(いとう・いさお)プロフィール
1935年生まれ。明治大学文学部卒。出版社を経て66年より日本体育協会・日本オリンピック委員会(JOC)に勤務。その大半を国際部門で過ごし、80年のモスクワ・オリンピック時は国際課長だった。91年、独立しフリーのオリンピック評論家に。72年の札幌冬季大会時よりオリンピックに携わり、現場での観戦・取材は夏季・冬季合わせて10大会に及ぶ。日本スポーツ学会(スポーツ・ネットワーク)運営理事、日本スポーツ芸術協会、日本オリンピック・アカデミー(JOA)各会員。共著・共編著は『オリンピックの本』(サイマル出版会、1986年)、『近代オリンピック100年の歩み』(ベースボール・マガジン社、1994年)、『ポケット版オリンピック事典』(楽、2008年)など多数。ネット情報は『モスクワ五輪ボイコットの真相』(http://blog.livedoor.jp/itoko2/、2005年11月1日〜06年3月17日 全137回)など。