
開催地はどうやって決まるの?
東京オリンピックが開催される確率はどれくらいで、いつ決まるのですか?
いま東京が名乗りをあげている2016年の第31回オリンピック競技大会の開催地は、来年(09年)10月2日、コペンハーゲンで行われるIOC総会のさいに、委員の投票によって決められます。その総会に出席した投票権をもつ委員の過半数を獲得した都市が開催地となります。
開催地に名乗りをあげた都市は、バクー(アゼルバイジャン)、シカゴ(アメリカ)、ドーハ(カタール)、マドリード(スペイン)、プラハ(チェコ)、リオデジャネイロ(ブラジル)、それに東京の7都市。IOCはこの中から本年6月に4〜5都市を“立候補都市”(Candidate City)に選びます。したがって現段階で7都市は“申請都市”(Applicant City)でしかありません。ということは、2〜3都市は書類審査で落とされることになるからです。
6月の書類審査を通り、立候補都市になれば、国際的な招致活動もできるようになるのですが、最近は多くの制限があり、IOCが定めた範囲内でしか動けない仕組みになっております。8月には北京でオリンピックが開かれます。この場が招致活動の願ってもない舞台となることは間違いないでしょう。当然のことながら、日本選手団の成績とバロメーターの1つになることもあり得ます。2009年2月になると、IOCに対して今度は“立候補ファイル”を提出しなければなりません。本年1月に提出したのは“申請ファイル”で立候補都市として認めてもらうための書類でしたが、“立候補ファイル”は、さらに精度の高いものが求められます。
さらに2009年4月〜5月には、IOC評価委員会の視察を受けます。このメンバーはIOC委員、IF、NOC、パラリンピック代表の10数人からなり、彼らは立候補都市を平等に回り、投票権をもつ115人のIOC委員が参考になるようなレポートを作成します。それと前後してIOCは、独自の調査機関を使い、立候補都市の市民およびその国民のオリンピックに対する関心度・期待度などを調べます。そして10月2日、各立候補都市のプレゼンテーションにつづき、IOC委員の投票に入ります。投票によって過半数を獲得する都市がなければ、その都市最下位の都市が落とされて行く方式がとられます。これはIOCならではの方式と言えます。
執筆者:伊藤公(いとう・いさお)プロフィール
1935年生まれ。明治大学文学部卒。出版社を経て66年より日本体育協会・日本オリンピック委員会(JOC)に勤務。その大半を国際部門で過ごし、80年のモスクワ・オリンピック時は国際課長だった。91年、独立しフリーのオリンピック評論家に。72年の札幌冬季大会時よりオリンピックに携わり、現場での観戦・取材は夏季・冬季合わせて10大会に及ぶ。日本スポーツ学会(スポーツ・ネットワーク)運営理事、日本スポーツ芸術協会、日本オリンピック・アカデミー(JOA)各会員。共著・共編著は『オリンピックの本』(サイマル出版会、1986年)、『近代オリンピック100年の歩み』(ベースボール・マガジン社、1994年)、『ポケット版オリンピック事典』(楽、2008年)など多数。ネット情報は『モスクワ五輪ボイコットの真相』(http://blog.livedoor.jp/itoko2/、2005年11月1日〜06年3月17日 全137回)など。